会報「鳴り砂」2018年7月号 2-095号(通巻274号)が発行されました 

会報「鳴り砂」2-095号(通巻274号)2018.7.20.
会報「鳴り砂」別冊2-095号(通巻274号)2018.7.20.

(一面です)
「第15回女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」 傍聴報告
本当にこの「安全性検討会」で、安全が確認できるのか?

2018年6月15日に、「第15回女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」が開催されました。傍聴者は、中嶋廉県議を含む7名と報道関係者3名でした。次の日『河北新報』に記事が、載りました。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180616_13037.html

議題は、「新規制基準適合性審査申請」の事故対応の基盤整備(緊急時対策所)、重大事故対策(炉心損傷防止〈津波PRA〉)、重大事故対策(使用済燃料プールにおける燃料損傷防止)についてでした。印象に残った点だけ報告します。資料は、下記の宮城県原子力安全対策課HPにアップされています。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/kentoukai.html

1.資料2 事故対応の基盤整備
(緊急時対策所)について
・緊急時対策所は、23.1m程度の基準津波の影響を受けない62mの高さに設置。2号炉中央制御室から590m離れている。(車で5分、歩いて20分だが、問題はないかとの意見あり。)部屋は、加圧して、外部からの放射能を12時間流入阻止。(時間が短いのではないか?との意見あり。)
・重要棟を、免震構造から耐震構造へ変更(H27年9月)。免震構造は、鉛直方向の振動について、裕度を確保できない。(耐震へ変更した理由が納得できないとの意見あり。この辺のことに詳しいはずの源栄さんは欠席。)
・緊急時対策所の被ばく評価は、7日間で、100mSvを超えないこと。(福島事故と同等と想定していることが過小評価にならないか心配との意見あり。)
・緊急時対策所と中央制御室を有線と無線で連絡する。(原子炉建屋屋上にアンテナがまとまっていると、共倒れするのでは、との意見あり。)

2.資料3  重大事故対策(炉心損傷防止
〈津波PRA〉)について
・構成員(委員)から、「33.9mで、年超過確率7.3×10-7 は、津波を想定して選んだのか。方法は?」、「33.9mの根拠は?」「ハザード曲線一千万年に7回といわれても、3.11を経験した実感と違う。」等の質問が出ていて、回答していたが、年超過確率がなかなか理解出来ず、難しい。

3.資料4 重大事故対策(使用済燃料プールにおける燃料損傷防止)について
・「想定事故2(水位低下 燃料露出)の似たようなことが柏崎であったようで、大規模流出もあるのでは?」(電力・・・今回は、耐震の低いクラスで想定。大規模損壊なので後で説明。)
・「プール水が沸騰して、13時間後に対応、の根拠は?」(電力・・・ルート確保の時間などから想定。)
・「重大事故対策要員数は、怪我したらどうする?」(電力・・・他の号機からも確保する。)

●今回は、午前10時30分から午後3時30分までの長時間の会議だった。内容もかなり専門的で、構成員の方もなかなか理解しにくいように見受けられた(免震構造から耐震構造への変更や年超過確率)。肝心の専門家が欠席して、質問と回答がかみ合わなかったりしていて、これで本当に安全が確認できるのかと思った。
(2018.7.1. 兵藤則雄)