≪短信:7.12硫化水素流出事故の情報公開顛末記 その5≫

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≪短信:7.12硫化水素流出事故の情報公開顛末記 その5≫
☆東北電力・規制委の「炉規法報告逃れ」の証拠は“闇の中”へ!

前号「顛末記その4」に記載した、7.12事故に係る「原子力規制検査」での「確認資料」の8.21開示請求(8.25受付)に対し、担当者からの事前連絡どおり(確認資料は検査後に事業者に全て返却して保有せず)、9.26付(消印は10.6)で「不開示決定」<実用炉監視部門担当>がなされ、また、その事前連絡を受けての「報告書作成のための立入検査時や資料確認時のメモ等」の9.1開示請求(2件目:9.3受付)に対しても、やはり「規制委は保有していない」との理由で、同日付で「不開示決定」<同担当>がなされました。そこで、後者について改めて担当者<同部門>に確認したところ、正式な「規制検査報告書」を作成し規制委へ報告した時点でメモ・会議資料等は全て「廃棄・破棄」(文書管理規定通り)しており、現時点では「保有していない」(この世に存在しない)ため、とのことでした。
さらにまた、「炉規法報告」の要否判断(筆者は報告を不要とする「例外規定」には該当しないと確信)に用いられたはずの「事故直後からの東北電力・規制委間の報告・連絡・相談記録(電話聴取記録やファックス・電子メールなども含む)」に係る9.1開示請求(1件目:9.3受付)に対しても、やはり「規制委は保有していない」という理由で、9.30付(消印は10.2)で「不開示決定」<緊急事案対策室担当>がなされました。あまりに“想定外な理由”だったので、やはり担当者<同室>に直接問い合わせたところ、全ての記録は、文書等の保管期限(1年とか3年)を過ぎているため「廃棄・破棄済み」(存在しない)、との説明が返ってきただけでした。
このように、規制委の‘文書管理の名の下の合法的証拠隠滅行為’に対しては“なす術”がなく(ホームページでやっと入手した「文書管理規定」を検討して抗議しようとも思いましたが、「廃棄・破棄」された文書が戻ってくるわけでもないので、取り止め)、2021.7.12事故は、時間の経過とともに証拠となるべき資料が全て「廃棄・破棄」され“闇の中”に消え去りました(東北電力に資料を提出させ真相究明するには「訴訟提起」(有毒ガス防護の不備)しかないと思いますが、女川2が有毒ガス防護合格・再稼働し、事故から4年以上経過した現状では“夢のまた夢”です)。

このように、硫化水素問題・炉規法報告問題について、今回の3件の「不開示決定」=証拠資料の「廃棄・破棄」によって、追及の手掛かり(と筆者の気力も?)が一切失われましたので、未だ残る宮城県情報公開審査会において「開示答申」(望み薄ですが)がなされ、新たな資料が得られるまでは、一旦(得られなければこのまま?)休止とさせていただきます。<*予定していた女川2有毒ガス防護申請・審査に関する「5.15」・「7.16」開示資料(ご覧になりたい方は、風の会までご一報下さい)の検証報告(東北電力・規制委批判)も、当面延期します。>
<2025.10.18記 仙台原子力問題研究グループI>