「有毒ガス防護」対策『申し入れ書』への宮城県・石巻市・女川町の回答一覧

9月20日に、みやぎ脱原発・風の会が宮城県・石巻市・女川町に対し下記のように申入れしましたが、その回答一覧を紹介します

2024.11「有毒ガス防護」対策『申し入れ書』への自治体メール回答

申し入れ内容は以下の通りです

2024年9月20日

宮城県知事  村井 嘉浩 殿
石巻市長   齋藤 正美 殿
女川町長   須田 善明 殿

申し入れ書
硫化水素に対する安全評価もなく、「検出・警報装置」も設置されず、「基準不適合」状態にある女川2号機の安全確認・対策を求めるよう申し入れます
東北電力は、女川原子力発電所2号機(女川2)の再稼動を本年(2024年)11月頃に予定し、核燃料装荷を開始するなどの準備を進めていますが、私たちは、女川2がこのまま再稼働へ進むことに重大な危惧を持っています。
女川2の再稼働にあたっては、能登半島地震の教訓が全く反映されていないことなど様々な問題がありますが、私たちは、女川原発で2021年7月12日に硫化水素流出労災事故<7.12事故>が発生したにも関わらず、同事故の経緯・原因・発生メカニズムの科学的真相が未だ解明されず、再発防止対策の実効性や実施状況も明らかにされず、女川2「有毒ガス防護」では『設置許可基準規則』26条・34条の求める「検出・警報装置の設置」がなされていない「基準不適合」状態にあることを、特に問題視しています。
それらの点についての当会の質問に対する宮城県<7.10回答>や東北電力<7.12回答>の回答などから、以下のことが明らかになっています。

⑴ 東北電力が7.12事故原因と主張する「硫化水素多量放出説」の根拠となる「放出量」について、濃度と空気注入量や排気量などの体積の「掛け算」で簡単に推計ができるのに、推計に必要な上記情報を秘匿したまま、理由も示さず「推計困難」と主張し、推定放出量も示さず「多量放出説」を繰り返しています<【資料1】や「別紙11」>。
⑵ 7.12事故当日「14:30」の異臭報告より早い「14:20」に沈降分離槽周辺で「50ppm」もの硫化水素が検出【資料2】された原因について、東北電力は「ダクトの接続部から当該タンク周辺に微少に漏洩したものと推定」<7.12回答>していますが、現時点においても漏洩防止のための「ダクト接続部」の補修・構造変更等は一切行なっていません<脱原発東北電力株主の会に対する8.19回答>。
⑶ 再発防止対策のうち、スラッジ排出「50㎥」は「本年3月末」にやっと達成されたばかりで、「曝気頻度の見直し」については実態不明です。そして、対策実施で「硫化水素の発生抑制に努めて参ります」<7.12回答>という表現からは、一度達成した「硫化水素ゼロ」を維持(発生防止)できていないことは明らかで、また、対策実施前後での硫化水素濃度などの情報も秘匿され、対策実施による「発生抑制」の実態も不明です。
⑷ 沈降分離槽が内蔵する硫化水素が、有毒ガス防護の「調査対象外」にできる「少量」という証明は全くなく、定量的評価に基づく安全確認もなされていないにもかかわらず、女川2には硫化水素の「検出・警報装置」(東北電力が自主的に設置した「硫化水素濃度計」は完全に別物です)は設置されておらず、「基準不適合」状態にあります。
⑸ 1号機排気筒から環境中に無処理放出される硫化水素について、女川2有毒ガス防護上も、周辺住民の健康に及ぼす影響についても、定量的な安全確認はなされていません。また、宮城県は、現状では自ら住民の安全確認する意思はありません。

以上を踏まえ、立地自治体の責務として、改めて、住民(県民・市民・町民)の「安全性の確保」重視の観点から、東北電力に対し、『安全協定』第2条に定める「積極的な情報公開・情報共有」および下記の安全確認・対策を求めるよう、申し入れます。