会報「鳴り砂」2025年5月20日号が発行されました

会報「鳴り砂」2025.5.20(2-136号)
会報「鳴り砂」別冊2025.5.20(2-136号)

(1面論文です)
再稼働に負けない! 女川原発廃炉まで闘い抜こう!
熱気あふれる3.23県民集会―400人が結集!

 3月23日、晴天のもと、「女川を核のゴミ捨て場にするな! 女川原発を廃炉に! さようなら原発宮城県民集会」が仙台市元鍛冶丁公園で開催され、会場が満杯となる約400人が結集した。主催は「さようなら原発みやぎ実行委員会」。昨年末、東北電力は女川原発2号機を再稼働したが、それでも私たちはへこたれることなく、「女川原発を止めよう!」という強い気持ちが人数や熱気として表れた集会となった。
はじめに、主催者を代表して多々良さんが挨拶にたつ。「東北電力は乾式貯蔵施設を女川原発敷地内に建設する計画を進めているが、県・女川・石巻 3 首長に、『設置に同意しないことを求める』要請署名や県民の声を届けている。仮にこのまま女川原発2号機が稼働しても、現在の核燃料プールが約 3 年で満杯になるので、そこでSTOPとするために粘り強く取り組んでいこう」と呼びかけた。
 その後3名から発言を受ける。まずは新潟から駆けつけた小木曽茂子さん(県民投票で決める会世話人、さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト代表)だ。新潟県では柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決めるための条例制定直接請求署名運動が取り組まれ、なんと14万3千筆を集めたこと。さらに県議会での条例案可決に向けた働きかけに全力を挙げていることが報告された。6年前に宮城県でも同じ署名運動を取り組んだ経験があるだけに、参加者の共感は深く、心からのエールの拍手が送られた。
 次に女川町議会議員の阿部律子さん(原発の危険から住民の生命と財産を守る会)が、乾式貯蔵施設を造る計画に同意しないことを求める署名を、町民宅を訪問して集め、女川町長に提出したことが報告された。この署名運動をさらに全県的に取り組むため、町外からも協力を!と訴えた。
 続いて大崎住民訴訟原告団の副団長の小沢和悦さん(大崎市議会議員)が、放射能汚染廃棄物の焼却の差し止めを求めた大崎住民訴訟において、昨年12月25日に仙台高裁が住民の請求を棄却する不当判決を出したことに屈服せず、最高裁に上告を申し立てたことを報告。大崎だけでなく、核の汚染、放射能汚染廃棄物をどこにも広げないために共に闘おう、と呼びかけた。
 これらの発言を受け、「持続可能な社会のために原発が本当に必要なのでしょうか? 女川原発の稼働 STOP と廃炉、再生可能エネルギーの拡大、女川を核のゴミ捨て場にしないため、みんなで粘り強く闘って行くことを決意し、宣言します」とする集会宣言を、満場の拍手で採択した。
 集会後のデモでは、「女川原発いますぐ止めよう! 危険な原発もうやめよう!」等と元気よくコールしながら、一番町~青葉通りをねり歩いた。

知事は何の搬出計画もない乾式貯蔵計画に同意するな!

 3月26日、原子力規制委員会が女川原発2号機の乾式貯蔵新設計画の審査書案を了承し、4月25日までパブリックコメントが募集された。今後5月中?にパブコメへの回答を経て、正式に許可(合格)が出されると予想される。それをうけて、宮城県・石巻市・女川町の地元同意(事前了解)へと焦点が移る。
 村井知事は3月県議会で「県議会の同意は要件ではない」と答弁している。規制委員会の「合格」が出されれば、これまで女川原発の問題に限らず独断専行が際立つ村井知事だけに、すぐにでも首長3者が集まって「同意」表明を行なう可能性がある。しかし、少なくとも議会での説明や質疑・討論等を行なった上で「同意」の是非を判断すべきであり、3首長の密室協議だけで決めることはあってはならない。なによりもまずは東北電力がしっかり地元で説明会を開くなりして、住民の理解を得る努力が最低限必要だ。
 そこで私たちは、3.23集会でも報告があったように、須田女川町長あてに「女川原発敷地内に使用済燃料の乾式貯蔵施設を設置する計画に、同意しないことを求める」個人署名を、また宮城県知事・石巻市長・女川町長あてに「使用済燃料の乾式貯蔵施設設置に関する東北電力の事前了解の申し入れに、同意しないことを求める」団体署名を、今年に入って取り組んでいる。
 前回「鳴り砂」で報告したように、2月6日には上記団体署名が、県内194団体、県外41団体、計240団体の賛同を得て、宮城県・女川町・石巻市に申入れた。その後、さらに署名を増やそうと、5月5日、女川の「原発の危険から住民の生命と財産を守る会」が女川現地署名行動を呼びかけた。
 この呼びかけに応え、仙台や石巻など県内から、チャーターバスや自家用車などで、30人以上が女川に馳せ参じ、2人一組になって戸別署名活動が行われた。風はあったもの穏やかな日和のなか、この日だけで121筆が集まった。祝日なので留守のお宅も多かったものの、在宅のお宅では皆話を熱心に聞いてくれ、なかには家族にも署名を呼びかける方もいた。また、「うちの子は電力関係なんでねえ…」「町長さんあてだと名前が…」などと丁寧に断る方もいて、「企業城下町」ならではの難しさもあったが、それでもしっかりと話は聞いてくれて、けんもほろろというところは一軒もなかった。
 これらの署名を5月16日に、女川町・石巻市・宮城県に提出する運びとなっている。同時に提出する要望書の骨子は下記の通りだが、3首長には、住民、また全国から思いを寄せる市民の思いを受け止め、安易に同意することのないよう、強く求めていこう。
(舘脇)

「女川原発で発生した使用済燃料の乾式貯蔵施設設置計画に同意しないよう求める署名の提出にあたっての要請書」(抜粋)

 東北電力は、乾式貯蔵施設について「使用済燃料を発電所から搬出するまでの間、一時的に貯蔵する施設」という説明を繰り返すばかりで、貯蔵期間も搬出先も明示していません。国も、まったく同じです。石巻市、女川町と周辺自治体の住民は、「半永久的な『核のゴミ』置き場にされるのではないか」という強い不安を抱いています。同意しないことを、あらためて求めるものです。そこで以下の2項目を要請いたします。
(1)事前了解の申し入れに回答する前に、東北電力と協議すること。使用済燃料の「敷地外への搬出」を保障する何らかの約束を求め、それを盛り込んだ新たな協定締結を求めること。
(2)条件を付けたとしても、いったん同意すれば保管は超長期になる可能性があるので、東北電力に回答する前に、少なくとも女川町と石巻市の住民の意向を確認すること。

【追記】5月16日、女川原発再稼働を許さない!みやぎアクション、原発問題住民運動宮城県連絡センター等5団体が、女川町と石巻市、宮城県に、要請書「使用済燃料の『敷地外への搬出』を保証させる東北電力との協議、住民意向の確認を求めます」と「使用済燃料の貯蔵施設への回答に関する質問書」、さらに東北電力の「女川原発敷地内に使用済燃料の乾式貯蔵施設を設置する計画に、『同意するな』と求める団体署名」第2回目、県内外233団体累計473団体、インターネット署名1670筆を提出した。また、原発の危険から住民の生命と財産を守る会は、須田女川町長宛に「女川原発敷地内に使用済燃料の乾式貯蔵施設を設置する計画に、同意しないことを求める署名」第2次分町内367筆、町外2123筆、累計町内803筆、町外2765筆、合計3568筆を提出した。女川町では6名、石巻市では市民9名が参加し、宮城県原子力安全対策課千葉課長との面談には、脱原発をめざす宮城県議の会の佐々木功悦会長はじめ県議8名と市民15名が参加した。県庁12階水産林政部会議室。(空)