会報「鳴り砂」2025年7月20日号が発行されました

会報「鳴り砂」2025年7月20日号
会報「鳴り砂」2025年7月20日号別冊

(1面です)
宮城県・女川町・石巻市は「乾式貯蔵計画」に同意するな!
-東北電力は8月にも「設計・工事計画申請」の構え-

5月28日、原子力規制委員会は、女川原発の「使用済燃料乾式貯蔵施設」設置の原子炉設置変更許可を了承した。様々な疑問点を考慮することなく「合格」を出した規制委員会に抗議する。
 これを受け、焦点は「地元同意」に移った。7月10日、「みやぎアクション」など5団体が提出した要請書に対する宮城県との回答交渉が行われた。
Q.核燃料サイクルは破綻しており、使用済核燃料は貯蔵施設に留め置かれるのではないか? 
A.第7次エネルギー基本計画において、乾式貯蔵施設等に貯蔵された使用済核燃料は、六ヶ所再処理工場へ搬出するという方針が明記され、…また、東北電力からは同工場の竣工後、計画的に搬出すると伺っている。県としては、了解するかどうかに関わらず、使用済燃料の早期搬出を国及び事業者に対して求める。
Q.事前に東北電力と協議すること、また、新たな  安全協定締結が必要ではないか? 
A.今の安全協定の運用で対応可能。
Q.住民の意向の確認は? 
A.その手続きは求められていない。女川町・石巻市と連携して対応する。
また、他にも「県では、施設の安全性を確認している」とも回答しているが、これらの回答から分かることは、基本的に国や東北電力に丸投げで、当該自治体としての主体性が感じられないということだ。
六ヶ所再処理工場の完成目標は27回も延期され、完成前から「老朽化」が心配される有様である。果たして「26年度中完成」が本当に達成されるのか、あるいはトラブルなどで使用済核燃料の受け入れが止まるのではないかとの懸念は尽きない(そもそも動かすべきではない施設だが)。
こんなことは東北電力や宮城県は百も承知のはずである。だからこそ、「想定外」に備えた協議を行うべきだとの指摘に対し、県は「その必要はない」と言っているのだ。これでは危機管理体制が全くなっていない。ましてや住民説明会など「住民の意向」を聞く場を持とうとしないとする回答には、自治体としての責任を果たしていないと言わざるを得ない。
東北電力は、6月9日の石巻市議会総合防災対策特別委員会で、「(乾式貯蔵の設計工事計画の申請を)8月ごろに予定している。その前に(県と女川町・石巻市に)同意頂ければという希望はある」と発言している。そして、1棟目については来年5月着工、2028年3月運用開始を計画している。
原子力市民委員会は2017年に、「再処理工場の完成がおぼつかないことから、最低でも数十年は貯蔵施設に留め置かれることを覚悟しなければならない」と指摘している。私たちは、何のロードマップも示さない東北電力と、それに追随するだけの自治体によって数十年もの長きにわたって「核のゴミ」が女川原発内に留め置かれることを認めるわけにはいかない。
宮城県・女川町・石巻市は、東北電力の意向に沿って、8月にも白紙委任の「同意」をする構えだ。これに対し、その前に、これまでも取り組んできた「乾式貯蔵施設設置計画に同意しないよう求める署名」を7月25日に最終提出する予定だ。まだの人は是非ご協力をお願いします。
サイトはこちら https://chng.it/6bjLFxmq82
(舘脇)