女川原発関連 第170回「協議会」傍聴記 —ナットの緩みで 原子炉停止、力量不足か?—
2024年11月19日に「第170回女川原子力発電所環境保全監視協議会」を傍聴してきました。資料が、宮城県のHPにアップされると思っていたら、ダメでした。「技術会」は、アップするが、「協議会」は紙の資料だそうです。
そのうち、下記県のHPにアップされると思います。
会議等開催のお知らせ – 宮城県公式ウェブサイト https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/kaigi.html
又は 協議会・技術会・監視検討会 会議資料・議事録 – 宮城県公式ウェブサイト
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/o-kyogikaigijyutukaikentokai.html
・簡単に気になった所だけを報告します。傍聴は、私+電力関係2名で、マスコミは0でした。委員は35名中23名の出席でした。学識経験者は、寺沢さん、山田(章)さん以外6名出席でした。
○伊藤哲也会長(宮城県副知事)があいさつで、「女川2号機が、10/29に原子炉を起動、11/3機器に不具合あり11/4原子炉停止、11/13原子炉起動、11/16発電開始した。被災原発で初めての再稼働であり、緊張感をもって、安全最優先でやって欲しい。」と述べた。
○伊藤哲也会長が議長で、いつもの通り「放射能調査結果」と「温排水調査結果」が報告され、評価し了承された。
その中で、女川2原子炉起動後の放射能測定値(小屋取 空間ガンマ線量率10/1~11/18)がスクリーンに映して(紙資料なし、委員にはあり)も報告された。同じく温排水についても報告があった。少し温度が上昇した。良く見えなくて、理解が不十分だが、特に問題はなかったようでした。委員からは、放射能、温排水ともに全体に対しても 質問、意見ゼロでした。(ちょっとひどいな と思いました。)
●資料-4 女川原子力発電所の状況について
・「技術会」でも報告された以下の事も議論になった。(※も含め技術会の資料も参考にした)
① 2号機における非常用ガス処理系の計画外の作動について
➢ 2024年9月13日,非常用ガス処理系※4の自動起動 を防止するための処置を実施していたところ,非常用ガス処理系が計画外に作動した。環境への放射能の影響はなかった。
※4 原子炉建屋内に放射性物質の放出を伴う事故の際,自動起動し,原子炉建屋内を負圧にするととも に,放射性物質の除去を行い,外部への放射能による影響を低減する設備。
② 2号機の原子炉建屋における水の漏えいについて
➢ 2024年9月19日,原子炉建屋地下1階において,制御棒駆動水圧系※5の6つ の弁の軸封部から水が漏えいする事象が発生した。漏えいした水の放射能濃度は検出限界未満 であり,本事象による環境への放射能の影響はなかった。
※5 制御棒に連結した駆動ピストンに駆動水を供給する装置。2号機の制御棒137本それぞれに設置している。
③ 2号機における特定重大事故等対処施設に係る設計及び工事計画認可申請について
➢ 2024年9月26日,特定重大事故等対処施設※6に係る「設計及び工事計画認可申請」を 原子力規制委員会へ行った。
※6 特定重大事故等対処施設とは,原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突等のテロリズムにより, 炉心に著しい損傷が発生するおそれがある場合などにおいて,原子炉格納容器の破損を防ぎ,放射 性物質の放出を抑制するため,遠隔で原子炉圧力容器内の減圧や原子炉格納容器内の冷却等を行う 施設。
➢ 今回の申請は,早期の完成を目指すため2分割した申請のうち2回目※8であり,同施設の機 械・電気設備等を対象としている。
※8 原子力規制委員会規則「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」において,設計及び工事 計画認可の申請にあたっては,分割して認可を申請することができる旨が規定されている。 1回目は,2023年12月14日に,特定重大事故等対処施設の建屋および土木構造物等に関する申請を行った。
④ 資料4 P5-12 2号機における移動式炉心内計装系の点検について
今回11/4に女川2原子炉が停止した原因と対策についての説明があった。(今回の資料とほぼ同じものが、東北電力のHPにあるので、下記を参考にしてください。)
女川原子力発電所2号機における移動式炉心内計装系の点検結果に係る原因と対策について| 東北電力
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1245864_2549.html
今回原子炉が停止した主な原因は、「移動式炉心内計装系」の伸縮継手と案内管の接続部の締め付けが不十分で、ナットの緩みがあり案内管が、外れた為であった。
この件について、若林委員から、このような事象は、東北電力や、他の電力で過去にあったのかの質問には、今回初めてとのこと。「締め付け」のダブルチェックは、したかについては、してないとの事。他の委員からは、技術力が衰えているようで、しっかりやって欲しいとの意見が相次いだ。電力の説明では、震災後の運転未経験者は、40%とのこと。
〇 今回の「ナットの緩みの事象」は、他の原発も含めて、初めてとのこと。どうも初歩的な作業ミスの様に見えました。力量不足で、今後も何か起こりそうで、心配です。
〇 次回協議会は、2025.2.14.(金) 午後 仙台にて。
(2024.11.20.記) 兵藤則雄