2024年5月10日に「第168回女川原子力発電所環境調査測定技術会」を傍聴してきました。簡単に気になった所だけを報告します。
傍聴は、私含め2名+電力関係2名で、マスコミは0でした(残念!)。委員は24名中19名の出席でした。学識経験者は、山崎さん以外6名出席でした。
○新しく高橋義広会長(宮城県復興・危機管理部長)が議長で、いつもの通り「放射能調査結果」と「温排水調査結果」が報告され、評価し了承され、5/29の「協議会」へ、報告する。
・当日の資料は、後日宮城県のHPへ掲載されるはず。
協議会・技術会・監視検討会 会議資料・議事録 – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)
●(資料-1-1)女川原子力発電所環境放射能調査結果(案) のP24 図-2-23 海底土のCs-137濃度について
20240510-168技術会_資料1-1_p24_海底土Cs137
岩崎(智)さんが、取水口付近が排水口付近よりも10倍以上高いのは、どう考えるかと質問。県の説明は、土の粒度が放水口の所が大きく、放射能濃度が低くなる(と言ったように聞こえた。)との事。岩崎さんは、取水口の所に放射能が、留まっているのではないかと、心配していた。他の原発では、どうなっているかとの質問では、今後県は、調査するとのことでした。
●資料-3-1能登半島地震を踏まえた対応について(放射線監視・原子力防災関係)の宮城県の報告
20240510技術会資料3-1
・志賀原発周辺モニタリングポスト116の内18局で、欠測。要因は、有線回線は、物理的断線とルータの電源の断。無線(携帯)回線は、基地局間回線の物理的断線と基地局の電源断とのこと。
・道路通行止め30ヵ所以上(30Km圏内)、8路線は、う回路確認できず。
・放射線防護移設(石川県内)20のうち、6施設で、倒壊の恐れや陽圧化(放射能侵入防止)の不具合発生。
・石川県内で住宅被害7万棟超、全半壊2万棟超発生。原子力災害発生時、自宅の屋内避難困難事例発生。
・女川原発では、電源の二重化、通信の二重化(有線と衛星、志賀では、有線と無線)体制整備している。
・女川原発での放射線監視体制を、表(P5)で表示。
・女川原発での原子力防災体制整備について
① 国道398号 ②県道石巻鮎川線 ③県道女川牡鹿線の整備を進めている。(P7)
放射線防護対策施設については、30Km圏内に12施設整備し、耐震構造、耐震性能に支障がないことを確認済み。陽圧化装置の点検も含め、必要な維持管理を実施。
屋内退避については、自宅の損傷等で使用できない場合は、指定避難所など別の建物への屋内避難をする。
(本当に 実施し避難できると思っているのだろうか?)
・原子力防災体制の充実強化について、国に要望し、訓練などを通じ避難計画の検証・改善を図っていく。(P10)
(とにかく、国まかせだ。)
●資料-3-2 東北地方太平洋沖地震における女川原子力発電所の状況について(能登半島地震被害との比較)
20240510技術会資料3-2
この東北電力のタイトルは、重厚だが、中身は、モニタリングポスト、変圧器故障、外部電源5の内2回線使用不可について、軽く述べただけ。もっとしっかりした、報告が必要だ。
(ところが、「能登半島地震を踏まえた対応について」は、委員からは、質問も、意見も皆無だった。ひどいです。)
●資料-4 女川原子力発電所の状況について
20240510技術会資料-4
・P5~6 「使用済燃料乾式貯蔵施設」の概要について
上記「乾式貯蔵施設」(一時貯蔵)を新たに設置する事について説明があった。橋本委員から、乾式貯蔵容器についての放射能監視測定の方法についての質問があった。東北電力は、「貯蔵建屋」内部の測定は、原子力規制委員会でこれから検討し、「貯蔵建屋」外部の原発敷地境界のモニタリングポストについては、「技術会」でも監視検討するとの事。
〇次回の「技術会」は、8月8日(木)午後に、仙台で開催。
・以上で終了かと思ったら、関根委員から、能登半島地震関連について、「女川原発の再稼働が予定されている中、県民は、避難をどう対応して良いか不安に思っているので、県は、県民の不安を払しょくできる提案をしていただきたい。」とのコメントがあった。会の終了間際のコメントで、議論は、深まらなかった。もっと早く意見して欲しかった。またしても、別組織「安全性検討会」等の必要性を感じました。
(2024.5.11.記 兵藤則雄)