女川原発関連 171回「技術会」傍聴記—再稼働後、2号機放水口浮上点で海水温上昇 — 

女川原発関連 171回「技術会」傍聴記
                
2025年1月31日に「第171回女川原子力発電所環境調査測定技術会」を傍聴してきました。今回も、資料は、宮城県のHPにアップされておりました。
会議等開催のお知らせ – 宮城県公式ウェブサイト
委員の方は、タブレットと紙資料を見て対応しておりました。傍聴者は、紙資料です。簡単に気になった所だけを報告します。傍聴は、私+1+電力関係2名で、マスコミはゼロでした。(残念!) 委員は24名中18名の出席でした。学識経験者は、有働さん、藤井さん以外5名出席でした。
○高橋義広会長(宮城県復興・危機管理部長)があいさつで、女川2号機が、11/15に再稼働(発電開始)、12/26に営業運転を再開した、又1/30、宮城県と地元自治体で立ち入り調査をしたことを報告した。
立ち入り調査のNHKニュース→ 女川原発 県と地元自治体が立ち入り調査 2号機再稼働後は初|NHK 宮城のニュース

○高橋義広会長が議長で、いつもの通り「放射能調査結果」と「温排水調査結果」が報告され、評価し了承され、2/14の「協議会」へ、報告する。
●参考資料-3 海底土(取水口付近)のCs-137濃度の変動について
171osirase-sa3.pdf
 取水口付近の放射能濃度の変動について説明があり、Cs-137の濃度は、シルトの割合に影響され、そのバラツキにより変動するとのこと。
●参考資料-5  2号機再稼働後の温排水拡散状況について
171osirase-sa5.pdf
P4,P5 水温鉛直分布によれば、2,3号機浮上点では、16.3℃(水深15m)の所が17.4℃(最高温度 水深2m位)と上昇しており、1号機浮上点では、上昇していない事が、分かった。この事について、岩崎委員が、震災前に、同様の状況があったかを質問したが、電力は、2号機だけ稼動している状況でのデータは、見つからなかったので、比較できないと返答したようである。(よく聞き取れなかった。いずれにしても、浮上点で、水温上昇の貴重なデータと思われた。)
●資料-3  女川原子力発電所環境放射能及び温排水測定基本計画の一部改正について
 171osirase-3ver2.pdf
大気中の放射性物質の濃度の測定で、ダストモニタにより予期しない人工放射性物質の早期検出する事の様である。(資料-3  別添1のP4、別添2の1/2,別添4の1/1 参照。・・・分かりにくいですが、ゴメンナサイ。 令和7(2025)年4月1日から運用開始の様である。)
●資料-4 女川原子力発電所の状況について
PowerPoint プレゼンテーション
・各号機の状況について説明。1号機は、廃止作業中。2号機は、営業運転中。2号機については、2024.11.3.に、中性子検出の校正などを行う設備のトラブルで、原子炉停止した件の詳しい説明があった。(P7~13 ナットの緩みという、技術力不足ですね。)
・3号機については、2025.1.16.に新規制基準適合性審査申請に向けて、地質調査実施を公表した。(p16~18 大変な作業が、待ち受けていそうですね。)
●令和7(2025).2.8(土)に実施予定の「宮城県原子力防災訓練」のパンフレットについての説明があった。
https://www.pref.miyagi.jp/documents/10408/r5oshirase.pdf

上記は、パンフレットと同じもののようですが、岩崎委員が、2ページ目左の「一部の住民の方を対象にした避難訓練を行います」の所の「PAZ, 準PAZの方の避難の流れ」と「UPZの方の一時移転の流れ」の違いが、分かりにくいと注文を付けていました。(原子力防災訓練は、実効性がないのではないかと疑問です。)

〇今回の会議は、報告するような新事実はあまりないなと思いながら、傍聴記を書いていましたら、そんなことはなくて、再稼働では、やはり海水温は上昇し、初歩的トラブルはあるし、3号機の稼働への動きも始まり、原子力防災訓練があるようだが、能登半島地震を経験した後で、果たして実効性はあるのか?と問題点は色々ありました。
・次回「技術会」は、5/15(木)午後 仙台で開催予定。
(2025.2.1.記) 兵藤則雄