◇12.15公開学習会Vol.13 福島原発事故の真相・深層に迫る!◇

☆★ 福島原発事故の真相・深層に迫る!“本邦初・オリジナル”考察の集大成 ★☆
=福島原発事故の原因は、東電の長年にわたる“安全性手抜き”!!=

日 時:2018年12月15日(土)午後6時30分~8時30分(予定)
場 所:仙台市市民活動サポートセンター 6階セミナーホール 
(仙台市青葉区一番町4-1-3)   資料代:500円
講 師:仙台原子力問題研究グループ 石川徳春 
【主催・問合せ先】みやぎ脱原発・風の会 090-8819-9920(舘脇)

『鳴り砂』読者には“耳タコ”だと思いますが、福島原発事故の最大の要因は1号機での事故の急激な悪化で、東電すら認めるように、3.12水素爆発が2・3号機の事故対応を大きく阻害し、炉心熔融の連鎖・大量の放射能放出などをもたらしました。

その真相を明らかにするため、前回の6.2学習会では、3.11発行パンフで考察した問題点のうち特に1号機の事故初期の運転操作に焦点を絞り、“本邦初・完全オリジナル”の考察を紹介しました(*東電事故調は当然ながら、政府・国会・民間・原子力学会・失敗学会のいずれの事故調でも、地震直後から津波襲来時までの運転操作について、特に異を唱えるものはなく、オリジナルとならざるを得ませんでした)。
例えば、1号機の事故進展に決定的な影響を与えたのが1号機特有の非常用冷却設備である「非常用復水器(IC)」で、地震後に自動起動したIC2系統とも運転員が手動停止したことです。その後運転員は1系統を手動操作し、3回目操作後の停止状態で津波襲来・全電源喪失し、作動不能・機能停止になりました。ところが、津波襲来後、ICが停止していることを「当直長」も「現地対策本部・吉田所長」も「東電本部」も(厳密には停止操作した運転員1名を除いて)誰一人として迅速・的確に把握できず、そのため炉心は全く冷却されず、代替冷却策も速やかに手配・講じられないまま、早期に炉心溶融・水素爆発してしまいました。そのIC停止操作に対する東電の事故後一貫した弁明は、ICによる冷却が速すぎて、保安規定・手順書にある「温度降下率55℃/時以下」という「運転上の制限」を遵守できないから止めた、というものです。ところが、保安規定をよく見ると、原子炉スクラムなどの「異常が収束」するまでは「運転上の制限は適用されない」(適用外)ことが明記されていました。
また、1号機の事故対応に際して運転員が参照すべき(と事故後に東電本部?が考えついた)手順書は、通常の「スクラム手順書(1-1-(B))」だとして、巨大地震用に1年前に新規作成した「地震手順書(22-1)」を完全に無視していますが、その理由は、運転員への教育訓練を(作成後の第26回定検時に行なうチャンスがあったのに)行なわなかったという自らの保安管理の実態(=失態!)を隠すためで、その証拠は、1号機にはない機器に関する記載が残されていることです(新潟県の技術委員会でも東電は未だに「地震手順書隠し」を行なっています)。

6.2学習会では、上記以外にもいくつか重要な福島原発事故の真相・背景に言及しましたが、筆者自身の消化不良(+時間不足)もあって十分に解明し切れておらず、インパクトのある説明ができていませんでした。
その後9.9「もっかい事故調」会合資料の準備過程や、さらに原子力資料情報室・上澤千尋さんからの新規提供資料を読み込むなどした結果、事故の原因(背景的要因)には、東電の運転開始以来の長年にわたる“安全性手抜き”があったことを解明できました。また、ほぼ解明済みだった上記「保安規定適用外」問題や「地震手順書問題」についても“新たな発見”があり、より強固な論考となりました。
その成果を基に、「新潟県」(技術委員会に田中三彦さん)で継続されている事故検証作業や「もっかい事故調」(上澤さん・田中さん・後藤政志さんら)とタイアップして、柏崎刈羽6・7再稼動を目論む“東電の技術力・安全意識の実態”を明らかにしようともしています。
その最新情報も含めた福島原発事故の“真相・深層(原因・背景)”に迫る、この間の筆者のオリジナル論考の集大成を、12月15日(土)午後6時30分からの風の会・公開学習会Vol.13『福島原発事故の原因は、東電の長年にわたる“安全性手抜き”!!』で明らかにしますので、是非ご参加ください! 6.2学習会に参加された方にも“新たな発見”をお伝えできると思いますので、是非お越し下さい。 <了><2018.11.4記>