仙台原子力研究グループのスクープ記事です!【11.5追記:女川2「9.19補正書」チラ見で2つの発見!!】

仙台原子力研究グループのスクープ記事です!
―最近の気になる動き 81―◇女川2号機「審査合格」の陳腐さ!+3号機廃炉が前提?◇【11.5追記:女川2「9.19補正書」チラ見で2つの発見!!】

◎追記部分から抜粋

【11.5追記:女川2「9.19補正書」チラ見で2つの発見!!】
10月末になって「9.19補正書」をようやく入手(ダウンロード)し、昨日11.3から見始めたところ、上記KK6・7同様の記載が、案の定?女川2でもありました。本文ファイル(35個のうち4番目)の274頁「ハ 重大事故に至るおそれがある事故または重大事故 事故に対処するために必要な施設及び体制並びに発生すると想定される事故の程度及び影響の評価を行うために設定した条件及びその評価の結果」(下線筆者)という長いタイトルの文中に、「1号及び3号炉の原子炉圧力容器に燃料が装荷されていないことを前提とする」と明記されていました。同じ文書はファイル28番目(添付書類10の続き)の1枚目(10-5-1頁)にもありました(ひたすら探して見つけました! ついでに2018.9.30東海第二審査書も見直したら、299頁に「重大事故等対策については、敷地を共有する東海発電所は廃止措置中であり、全ての燃料は敷地外に搬出済みであることを前提とした手順等として確認した」とありました。「敷地共有」がポイントでしょうか)。1号機は廃炉決定済みなのでこの前提条件を満たしますが、この前提がある限り、もしも東北電力が3号機の再稼働を考えるのなら‘2号機審査は最初からやり直し(=運転停止)’を覚悟する必要があるということだと思います(この「敷地共有号機」に関する前提は、「重大事故等防止技術的能力基準1.0項」の要求事項でしょうか?:筆者未確認。ちなみに、2013.12.27申請書・添付書類10の対応部分をざっと見直しましたが、記載なし。先日の規制委への10.1補正書概要でも、もちろん9.19報道用概要でも言及なし=情報隠し?)。

また、291頁で「複数号機の同時被災の場合」を想定し<規制委の「重大事故等防止技術的能力基準1.0項(4)解釈3c」に規定があるようですが未確認>、2号機のみならず「他号機の被災対応ができる体制とする」としていますが、使用済燃料プールに燃料が貯蔵保管されている状態の1・3号機の同時被災(ファイル24番目の821~845枚目にある津波による浸水影響?)、すなわち1・3の同時プール冷却喪失などには対応可能でも、3号機が燃料装荷=運転した状態での炉心冷却喪失などの同時重大事故対応は不可能ということで、前提条件としたものと思われますので、必ず遵守すべきです(東海第二審査書では、304頁に「敷地を共有する東海発電所との同時被災への対応」として「東海発電所は廃止措置中であり、重大事故等は発生しないが、本発電所の重大事故等対策に波及的影響がある場合において、…重大事故等対策を実施する方針であること」との記載有り)。
付言すれば、東北電力の事故時手順書は、警報処置運転手順書、非常時操作手順書(イベントベース)、非常時操作手順書(徴候ベース)、非常時操作手順書(シビアアクシデント)とのことで(286頁:東電名称とは違う)、「~を行えるよう判断基準を明確にした手順を整備する」などと述べていますので、それらの整備を確認(住民が安心)できるよう、福島第一での「地震・津波手順書」のようなものがきちんと作成されているのかどうかも含め、各種手順書を公開して欲しいと思います。

さらに、筆者にとって今回の補正書チラ見の“最大の発見?”は、285頁で「重大事故等対策時においては、設計基準事故時に用いる操作の制限事項は適用しないことを明確にした手順を整備する」と明記していることで、正直驚きました(パブコメでの追及点が1つ減少)。『鳴り砂』読者はお分かりだと思いますが、福島第一1号機での非常用復水器ICを温度降下率規定遵守名目で地震後に停止(『保安規定』違反)したことの反省を踏まえてのものだと思われ、規制委が指摘・指導したのか、東北電力自身が自ら福島事故の教訓として導き出したのか(まさか、筆者のこの間の『鳴り砂』等での指摘を見て、それを反映させてくれた?のか)分かりませんが、いずれにしても、福島事故の教訓を反映させたことは率直に評価したいと思います(といっても再稼働を認めることはできませんが)。この点、柏崎刈羽6・7や東海第二の審査書のチラ見の際には気付きませんでしたので(今回、両審査書を再度チラ見しましたが、記載なし。代わりに、東海第二で「大津波警報が発令された場合、原則として原子炉を停止し、冷却操作を開始する手順書を整備する方針」との記載を発見)、規制委審査での女川2手順書問題の議論も含め、さらに調べてみたいと思います。 <完>