会報「鳴り砂」2019年5月号が発行されました

会報「鳴り砂」2-100号(通巻279号)2019.5.20.
会報「鳴り砂」別冊2-100号(通巻279号)2019.5.20.
女川原発の廃炉をめざして!『鳴り砂』2-100号記念付録(反対運動資料集)2019.5.20

(1面論文です)
第16回女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会 (傍聴報告)
・・・もっと大事な 議論すべきものがあるのではないか・・・

2019年4月23日に、「第16回女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」が開催されました。前回は、昨年の6月15日でしたので、久方ぶりです。原子力規制委員会の適合性審査会合が、昨年6月19日から4月23日まで37回も開催されていますが、宮城県の安全性検討会は、開催をさぼっていると感じます。
委員の欠席者は、今村文彦さん、岩崎智彦さん、関根勉さんでした。傍聴者は、中嶋県議含む8名と報道関係者3名プラスカメラ2台でした。次の日河北新報に記事が載りました。宮城県の環境生活部長あいさつの中で、次の日に女川原発の現地視察があると話されました。
議題は「新規制基準適合性審査申請」の「その他の自然現象(竜巻、火山)」、「事故対応の基盤整備(緊急時対策所)」でした。資料は下記の宮城県原子力安全対策課HPにアップされる予定です。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/kentoukai.html
 印象に残った点だけ報告します。

1.資料-1 女川2号機の安全性に関する
検討会の論点一覧について

・色分けされ「水色は説明済」と記載されているが、必ずしも議論が終了したわけではない。安全を確認したと誤解されるような表現になっている。

2.資料-2 その他の自然現象等(竜巻)
について
・欠席者今村さんからの質問・・・P15の「今後・・・気候変動の影響に注視し・・・」は、今後どう考えるのか。→電力の回答「注視し、必要あれば変更する。」との事だが、今村さんはこれで納得するのか。
・首藤さん・・・申請時は、竜巻最大風速を69m/sとしていたのを、基準竜巻92m/sにどうして変えたのか。→電力の回答「日本の最大風速92m/sとハザード曲線の確率論的最大風速83.6m/sの大きい方を採用した。」・・・これに対して長谷川さんから「ハザード曲線の信憑性についての説明が足りない。」→電力は、のちに再説明するとなった。それから、P17の飛来物の飛ぶ飛ばない選定は、どの様にしてやったのか?・・・電力が色々説明していたが、首藤さんが納得したのか疑問でした。
その他の委員からも質問続出で、15時頃までかかり、休憩に入る。

3.資料-3 その他の自然現象等(火山)
について
・火山の議論の時は、終了の目標時間を16時5分頃と設定したためか、議論が低調になった。
・兼本さん・・・P32で、ブルドーザーのエンジンが灰でストップすることも考えたのか?に対して、対応を考えているとの電力回答で、すんなり議論が終わっている。
・首藤さん・・・P24で、鳴子カルデラからの火山灰厚さ15cmの降り方、継続時間などを質問→電力は、シミュレーションもやりトータルで15cmと回答。(議論深まらず。)

4.資料-4 事故対応の基盤整備
(緊急対策所)について
・前回の会議で問題になった「重要棟を、免震構造から耐震構造へ変更」した理由が説明された。既製品の免震装置では、許容値を超過する。新規では、長期化と実現困難のリスクがあるとの事。・・・以前に反対していた鈴木さんも渋々引き下がっている様だった。

以上ですが、竜巻や、火山もさることながら、防潮堤の地盤、地下水の問題や、重大事故対策、施設の耐震設計、テロ対策、対津波設計方針、フィルターベント設備等々、それから、避難計画も議題に取り込むこと等、緊急を要するものが他にありそうに思いました。
(2019.4.24.記 兵藤則雄)