女川原発関連 159回「技術会」傍聴記—原発は、秘密が多すぎる—

女川原発関連 159回「技術会」(2022.2.4)傍聴記
女川原発関連 159回「技術会」傍聴記—原発は、秘密が多すぎる—

2022年2月4日に「第159回女川原子力発電所環境調査測定技術会」を傍聴してきました。簡単に気になった所だけを報告します。
傍聴は、私とNさん、電力関係1名で、マスコミはゼロでした。学識経験者の岩崎智彦さん、有働さん、神宮さんが欠席でした。(残念)
 
●千葉伸副会長が、挨拶の中で特定重大事故対処施設の変更許可について、東北電力から事前協議(宮城県、女川町、石巻市へ)の申し入れのあったことを報告した。(資料-3 P4参照)
第159回女川原子力発電所環境調査測定技術会資料-3

・会長の代理 千葉伸副会長(宮城県復興・危機管理部危機管理監兼副部長)が議長で、いつもの通り「放射能測定結果」と「温排水調査結果」が報告され評価し了承された。
・当日の資料は、後日宮城県のHPへ掲載されるはず。(但し、相変わらず遅いです。11/12の技術会の議事録は、2022.1/15頃でした。)
協議会・技術会・監視検討会 会議資料・議事録 – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)
●前網局での線量率超過(2021.11.22)について(参考資料-2)、いろいろ検討した結果大陸方面からやってきた物質による上昇か?といったように聞こえた。(議事録を見たい)
●使用済燃料プールへのボルト等落下物の回収が1月から開始。水中カメラでの調査も実施中。(資料-3 P7-8)
●前回も問題になった3号機「中央制御室換気空調系の是正処置の未実施」(資料-3 P9)について、深刻度SL Ⅳの評価に対して、定期的に点検することで、是正処置完了(2021.11.30.)との事。
●モニタリングポスト計測値の伝送異常について(資料-3 P2-3)
 2021.12.7.  モニタリングポスト(1~6)計測値が伝送されない。(核物質防護のため図など詳細は制限) 原因は、中央制御室での作業で誤って必要な回路プラグを取り外した。協力作業員から、電力担当者に可否の確認を受けたが、電力担当者が、取扱説明書に記載がなかったため外す指示をした。再発防止は、部品の取り外しは、メーカーに確認することとなる。(電力社員の間違った思い込みがトラブルを発生させた。詳細が説明できない重要な機器のようで、テロ対策上もなんか怖いです。)
 
●有毒ガス防護の原子炉設置変更許可申請について(資料-3 P4)
 2021.12.16.上記の件原子力規制委員会へ提出。有毒ガス防護に係る記載の追加。(硫化水素事故を踏まえての対応であるが、新たな設備設置や変更はないとのこと。これで本当に大丈夫なのかと思った)
●新コロナ感染症の感染が、電力社員3名、協力企業員62名となった。ここ2~3週間で26名と多いとのこと。(防止に努めているが、なかなか大変のようである。)
●次回の技術会は、5/18(水)仙台にて。

〇改めて感じたこと。 ちょっとした人為ミスがモニタリングの伝送不可を起こし、もし事故があっても対応できなくすることがあるという事。そして、その詳細内容がテロも心配なので、公表できないこと。毒ガス硫化水素の発生対策も中途半端で、終わりそうなこと。コロナ対策が相変わらず大変なこと。
そしてこの技術会をやっている間に、「女川原発の原子力防災訓練」は、住民の参加がなくなったことが決定していたが、一言も報告がなかった。(秘密が多すぎる。)
たかが電気を起こすのに、テロおそれ、防災訓練もし、膨大なエネルギーを使用して様々な会議もしなければならない「原子力発電所」とは、いったい何なんでしょうか。エネルギー浪費施設?

(2022.2.5.記) 兵藤則雄