女川原発関連 160回「技術会」傍聴記—地震時に放射能の測定が出来ず、検討中が多くて不安 —

2022年5月18日に「第160回女川原子力発電所環境調査測定技術会」を傍聴してきました。簡単に気になった所だけを報告します。
傍聴は、私とNさん、電力関係2名で、マスコミは1名でした。学識経験者7名の内、池田さん、神宮さん、山崎さんが欠席でした。3/7と欠席が多いですね。
 
〇佐藤達哉会長(宮城県復興・危機管理部長)が挨拶の中で、女川2号機の工事完了を東北電力が、2023年11月を目指しているとの報告があった。
・佐藤達哉会長が議長で、いつもの通り「放射能測定結果」と「温排水調査結果」が報告され、評価し了承された。
・当日の資料は、後日宮城県のHPへ掲載されるはず。
協議会・技術会・監視検討会 会議資料・議事録 – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)

●寄磯局(測定宮城県?)での測定値の異常について(2022.3.16)欠測扱い。(参考資料-2、資料-3のP4)
 3.16の地震(女川原発で、367.5ガル)により、電離箱検出器が、4,414nGy/hと高い値となりその後は、平常より低い値となった。NaI検出器は正常。原因は、地震により検出器の集電極が揺さぶられ、異常電流が流れたため。全国的には、このような事象はない。今後については、対応を検討中。(また起こったら、困りますね。)岩崎智彦委員からは、地震で、放射能が大量放出した場合に役に立たないのではないかと疑問視された。
●2022.3.16地震で2,3号機の放水口モニタの停止について (参考資料-4)
 海水サンプリング用の混合層の水面が、地震で揺動しポンプが停止し放水口モニタの、測定と伝送が停止した。2021.2.13.地震でも同様の事象があり、水位変動が、3分継続した場合にポンプ停止するようにした。その後混合層の配管亀裂を考慮し再検討し「水位高、低」1回あたり1秒とした。3.16地震では、1秒を超える変動継続で、ポンプが停止した。現在は、原因と対策検討中。次回の技術会(8月)で、説明するとの事。(又もや検討中か。地震の時放水口モニタ使用不可で、不安ですね。)
●1号機流路縮小工事中(2022年7月~2023年3月)の放水口モニタの仮設運用について(参考資料-6)
 取放水路へ流入する津波抑制の為、流路を縮小する工事を実施。その為水位低下するので、仮設放水口モニタを別の所へ設置する。(P4)仮設の測定値は、参考値とする。(P7)

〇環境放射能調査結果(令和3年度第4四半期)は、評価、了承され、6月7日(5/31から変更)の監視協議会へ報告する事となった。(放射能のモニタがいろいろとトラブルあり、検討中にもかかわらず、了承してよいのだろうか?)

【(資料-3)について】
●2021.2/13,3/20,5/1の地震による、ボルト等の落下物は、未回収の物が多数あるにもかかわらず、対応済となった。(P8)
●作業員が、他人のIDカードで、周辺防護区域へ入った。(P10)
 岩崎智彦委員から、「東北電力でも、あるのかと、がっかり。抜き打ち検査など、レベルアップをしないと・・・」の発言。
●女川2号機「圧力抑制室耐震補強工事」をする。ドーナツ形で全体直径50m、内部直径10mの巨大なもの。これまで経験したことのない工事とのこと。工事完了2023年11月。(P18)

〇次回の会議は、8/9(火)仙台市にて。
〇質問に対して「検討中」との、歯切れの悪い回答が多かった。地震時には、電離箱検出器の値が上昇したり、海水サンプリング用のポンプが停止し、放水口モニタの測定が停止したりして、放射能の値が正確に測定できないようで、不安である。
(2022.6.4.記) 兵藤則雄