女川原発関連 163回「技術会」傍聴記—敷地内 トラブル頻発 交通事故死も、急ぎすぎか?—

2023年2月3日に「第163回女川原子力発電所環境調査測定技術会」を傍聴してきました。簡単に気になった所だけを報告します。
傍聴は、私含め3名+電力関係1名で、マスコミは1名、資料を取って帰ったようでした。
委員は24名中20名の出席でした。学識経験者は、藤井豊展さん(新任)が欠席でした。
○新しく 佐藤達哉会長(宮城県復興・危機管理部長)、千葉伸副会長(宮城県復興・危機管理部理事兼危機管理監兼県副部長)、佐藤崇副会長(宮城県水産林政部水産業基盤整備課長)が選出された。
○佐藤達哉会長が議長で、いつもの通り「放射能測定結果」と「温排水調査結果」が報告され、評価し了承された。
・当日の資料は、後日宮城県のHPへ掲載されるはず。(但し遅いです。)
協議会・技術会・監視検討会会議資料・議事録
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/o-kyogikaigijyutukaikentokai.html

●資料-1-1(P10)について
前網局で、2022.10/1~10/25で空間ガンマー線量率が減少。関根委員がその理由を質問。それは、作業員が、機器の操作を元に戻すことを忘れた初歩的な人為ミスでした。(前回の会議でも議論したが、関根委員は、欠席でした。)
●参考資料-2 「1号機仮設放水口モニターの係数率変動及びその要因について」
これは、津波対策のため取放水路の流路縮小工事をしている為、放水口モニターの係数率が複雑に変動する現象です。これに対して、委員からは、「地下水が、原子炉で汚染されていないことの理由」、「係数率の上昇、下降の詳しい理由」、「時系列で変化の説明欲しい。」など、さまざまな意見質問が出され、今後再度分かりやすく説明することになった。しかしながら、「技術会」として了承され、2/17の「監視協議会」へ提案されることになった。
●資料-3 「女川原子力発電所の状況について」
P4~6 「コンクリート壁の削孔中に誤って動力ケーブルを損傷させた件」・・・岩崎委員から 探り削孔で、埋設物に接触した場合に強引に作業をしたのは、問題とされた。
P1 「1号機原子炉建屋天井クレーン支持台座にき裂」・・・岩崎委員から、2023年11月まで直らないのは、遅いのではないかとの質問に、電力は部材の手配に時間がかかるとのこと。
P7~10 「女川原発核物質防護事案(出入管理)」 《重要度(緑)、深刻度「SLⅣ」》・・・白崎委員から「車両許可証」、「臨時車両許可証」なしで入域したことの問題点の指摘があった。
P2、P11~15 女川原発における交通死亡事故・・・2023.1.10.工事のダンプ車両に、歩行中の従業員が巻きこまれ死亡した。
●阿部豊(女川町企画課長)から、2023.1.14に女川原発敷地内で、クレーン車が転倒した件の説明を求めると、電力は、クレーン車の転回中に倒れ隣のクレーン車に倒れ、運転者が顔にケガをしたとのこと。クレーン車の設置が不十分だったようである。阿部企画課長は、しっかり対応し、情報公開も求めていた。
●次回「技術会」は、5/11(木)午後 仙台市にて

女川原発敷地内では、トラブル頻発 交通事故死も発生し、急ぎすぎだろうか? 又 やはり、常設の「女川原発安全性検討会」などを設置して、監視しないと大きな事故が起こりそうな気がしました。
(2023.2.4.記) 兵藤則雄