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-『福島原発事故分析検討会』の「非常用復水器に関する分析」について 番外2- ☆批判的パブコメ意見は「スルー」☆
『番外』記載の「パブコメ(7.17-8.15)」の進行予定では、「令和7年8月末:事故分析検討会において、科学的・技術的意見の公募の実施結果等を踏まえた「中間取りまとめ(2025年版)」を取りまとめる」、「令和7年9月中:事故分析検討会で取りまとめた「中間取りまとめ(2025年版)」について原子力規制委員会の了承を諮る」となっていましたので、規制庁担当者が十分に検討して回答できるよう、早めの8月4日付で意見を郵送しました。一方、8.27に、風の会ホームページ『番外』原稿を見たという「I氏」から、ご自身もパブコメに応募、とのご連絡と、関連資料(昔の東電広報等も含む貴重な資料)のご提供をいただきました(もしかすると『鳴り砂№312 その1』記載の2024年度パブコメをされた方?)。
そして、上記予定を信じ、8月25日から規制委ホームページをチェックしていたら、29日にやっと「9月4日(木)開催」との告知がありました。予定より遅れたのは、上記I氏や筆者意見への回答作成に“苦心?”したためかと思いましたが…。
さて、9月4日第52回検討会のパブコメ資料<資料1-1、1-2>を見ると、今回の提出意見は「5件」で(ちなみに2024年度も「5件」)、うち「第1章」1号機非常用復水器に係る意見は、筆者(№2)と、他3名(№1、№3、№5は一部言及)でした。なお、上記I氏の意見は、何らかの手違いがあったのか、ありませんでした。
資料1-1「御意見に対する考え方」(今回は検討会事務局=規制庁役人の考え方)を見ると、№1の方(「上から目線」の言い方は規制庁か電力のOB?)の“用語・表現などへの意見・指摘”についてはすべて受諾・反映されていました。一方、IC運転操作について「更なる検証が不可欠」と批判的に指摘した№3の方(ひょうご弁護団・辰巳先生でした)の意見と、筆者の意見は、いずれも「スルー」(辰巳先生の予想通り)され、「原子力規制委員会の考え方を記載予定」<*>との注記はあったものの、回答は“けんもほろろ”でした。例えば、筆者の質問(№2-4)は、47~50回議事録を確認して保安規定77条3項に係るまともな議論がなかったからこそだったのに、「なお、手順に係る部分の議論については、第48 回事故分析検討会の議事録を確認ください」と、検討会では議論済みで質問者の確認不足だと一方的に決めつけるものでした(埒が明かないので、議事録の何頁を確認すればいいのか、規制委宛に9.8に質問しました)。また、筆者意見№2-2、2-3に係る取りまとめ文章に記載されていた「不足していた」とか「必要がある」との一見“東電批判”のような表現は、今後は更に真相究明を続けるという意味ではなく、実際には、規制庁役人の権威・東電に対する優位性を示すため(=「規制の虜」批判を回避するため?)の“ポーズ”でしかなく、だからこそ更なる検証・真相究明を求める№3意見や筆者意見には‘聞く耳持たず’で、「当該文章の作成意図・要約部分」のどうでもいい説明・弁解を記載しただけでした(さすがに完全スルー・ノーコメントはできないため)。
今回のパブコメ対応に見られるように、この間の検討会は、「非常用復水器(IC)に関する事実関係を明らかにし当該設備に対する疑問を解消するとともに、ICを通して事故時対応の教訓を見出す」との目的から大きくかけ離れて、事務局=規制庁役人の些細な疑問の解明(3.23頃のICタンク水の減少理由など)や、東電・メーカーの次世代炉開発のためのIC機能の再検討などに終始しています。だからこそ筆者は、『番外』記載の通り、『「パブコメ」なら筆者の意見も全文が掲載され、規制庁もある程度正面から対応せざるを得ず、さらには検討会参加者も“それなりに”目を通さざるを得ず、追加検討の必要性(議論打ち切りの不当性)を認識するのではないかと期待』したのですが、検討会委員らはたった5件の意見に直接目を通すこともなく“事務局任せ”だったようで、事務局起案の「考え方」に、委員からのコメントが追加された形跡は一切ありませんでした。検討会委員の良識を期待した“自分の甘さ”と“規制庁役人の壁”を、改めて思い知らされました。
<*「原子力規制委員会の考え方を記載予定」については、前記パブコメ進行予定の「9月中の規制委員会での了承」の際、新たに「+α(プラスアルファ)」の記載が追加される可能性があるとの意味のようで、それが“最後の希望”ですが、検討会委員同様、規制委委員が主体的にパブコメ意見・「考え方」に目を通して「+α」コメントを出す可能性は低く、検討会事務局からの報告(特に考慮すべき意見なし)を受けて“異議なし・了承”すると思われ、今は‘一切の希望を捨てよ’<ダンテ『神曲』地獄篇>の心境です。最終結果は「次号」で。>
なお、同検討会・資料3「事故分析の調査実績及び短期課題の整理」で、今年の取りまとめ項目に「1号機ICの設計・運用等の調査」と記載されていたものの、今後の短期課題(2~3年)は「1号機ICの事故時解析」に変わっており、「運用」=運転操作・手順書・保安教育問題については今年で終了のようです。だからこそ、検討が不十分で肯定的評価は時期尚早とした筆者意見2-4に対し、規制庁は「事故分析検討会の議論を踏まえ、検討結果を集約したものとして、中間取りまとめに記載しています。具体的には…記載したものです。」と、‘記載済み=検討済み’を強調したものと思われます。その一方で規制庁は、「IC の持つ冷却機能や作動時の原子炉の挙動など、安全機能の本質的な部分について今後も本検討会で調査を継続していきます。」と、一部筆者意見を聞き入れたかのように答えていますが、今後の「1号機ICの事故時解析」において、筆者検証済みの保安規定77条3項に従った「IC自動起動後・津波前までの運転継続ケース」は、東電の運転操作責任・事故責任を証明する結論となることが明らかなため、最初から無視・解析対象外とされることは確実で(‘一切の希望を捨てよ’)、規制庁や東電の思惑通り‘想定外の津波襲来・電源喪失により事故発生は不可避だった’と東電を擁護・免責する解析結果(お墨付き)が正々堂々と出されることが、今から十分に予想されます。
<2025.9.8記+9.13追記 仙台原子力問題研究グループI>
