(1面論文前半です)
「特定重大事故等対処施設」が未設置で、トラブル続きの女川原発2号機は、即時停止せよ!
―2026年12月から1年半以上停止することに―
東北電力は10月17日、女川原発2号機の特定重大事故等対処施設(いわゆるテロ対策施設、以下「特重施設」)の完成時期を、設置期限の2026年12月から28年8月に延期すると発表した。「昨今の建設業界における労働環境の変化による影響などを踏まえ、工事完了時期の見直しが必要と判断した」(プレスリリース)としているが、この「特重施設」は設計及び工事計画の認可から5年以内に設置することが求められているとされていることから、期限の2026年12月22日までには稼働を止めることになる。
さらにこれに関し石山社長は、10月30日の記者会見で、「特重施設の設置期限につきましては、現在、原子力エネルギー協議会(ATENA)が、原子力規制委員会に対し、建設業界における労働環境の変化を踏まえ、3年延長するよう要望しているところでありますので、当社もATENAの一員として適切に対応してまいりたいと考えております」と発言している。
しかし、これは、この施設の設置目的からいって全く本末転倒だ。新規制基準の一つとしてこの特重施設の設置が義務付けられたが、これは「故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムにより炉心の著しい損傷が発生した場合、またはそのおそれがある場合において、原子炉格納容器の破損による工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を抑制する」ための施設、とされている。そうであれば、原子力発電所と一体化した施設でなければならず、そもそも5年の猶予を与えること自体が間違っている。
玄海原発では「ドローン」が現れたとの真偽不明の情報もあったが、いまや原子力施設はいつ狙われてもおかしくはない状況だ。そういう意味では、地震・津波などの自然災害対策などと同様、安全対策として原子炉の稼働と一体として運用すべきだ。それに反し、5年の猶予を8年に伸ばすなどというのは言語道断だ。私たちは石山社長の発言に強く抗議するとともに、女川原発2号機の即時停止を強く求める。
また、10月22日には、女川原発2号機において、制御棒の動作を確認する定期試験中に、137本ある制御棒のうち1本を原子炉に手動で挿入できなくなったとのトラブルが発生した。これについて東北電力は「11月5日に原因調査のため当該制御棒の動作確認を行ったところ、正常に動作することを確認しました。そのため、原因は制御棒駆動機構への一時的なエア混入等と考えており、引き続き定期試験において当該制御棒の動作状態を注視してまいります」「通常の定期試験では、手動操作による動作を確認するが、これは水ポンプで制御棒を動かすもの。一方、自動挿入は、アキュムレーターというところに高圧の窒素を封入しており、これはより高い圧力で一気に押し込むもの。こちらのアキュムレーター圧力が、必要圧力が十分確保されている。実際に(制御棒を)入れたわけではないが、こういったやり方で確認する」(11.13第174回女川原子力発電所環境調査測定技術会)と説明しているが、一時的なエア混入がなぜ起こったのかなどまだ不明な点があるまま、稼働を継続したことは問題だ。
これらに共通しているのは、「安全対策に終わりはない」という言葉とは裏腹の、自社利益を最優先させる姿勢だ。これではいくら巨額をつぎ込んで安全対策工事を行っても、また様々な設備を用意しても、「仏作って魂入れず」だ。
以上の、安全対策に不可欠の「特重施設」が未設置である、重要設備である制御棒の不具合の原因が不明である、といった理由により、女川原発2号機の即時停止を強く求める。
なお、11月12日、女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクションと原発問題住民運動宮城県連絡センターは、東北電力に『女川原子力発電所2号機の「特定重大事故等対処施設」の設置期限延長と最近のトラブル、地球温暖化対策などに関する質問書』(風の会HPに掲載)を提出し、1ヶ月以内の回答を求めています。
