会報「鳴り砂」2024年1月20日号が発行されました

会報「鳴り砂」2-128(2024.1.20発行)
会報「鳴り砂」別冊2-128(2024.1.20発行)

(一面論文です)
女川原発2号機の再稼働を止める全国的な運動を牽引しよう!

 1月10日、東北電力は女川原発2号機の再稼働について、安全対策の工事が増えたとして数か月延期することを明らかにした。具体的には「火災防護対策」がその理由だが、再稼働も今年5月ごろから数か月程度延期されることになる。しかし、いずれにしても今年中に再稼働が迫っていることに変わりはない。あの東日本大震災から13年、これまで再稼働されたのは、西日本でのPWR(加圧水型)に限られてきた。女川原発が再稼働されれば、東日本でもBWR(沸騰水型)でも初めてとなり、岸田政権の「原発回帰」政策の象徴的な出来事となる。「宮城県の人はもう忘れちゃったのか?」(今野寿美雄さん「帰れない村」より)、いや私たちは決して忘れてはいない。原発が過酷事故を実際に起こし、「帰れない」村や町を作り出したことを。そしてその可能性は、原発がある限り常に存在し続けていることを。そうであるならば、再稼働阻止に向けた大きな陣形を、全県・全国の仲間とともに、3月23日の集会を皮切りに、私たちが先頭に立って切り開いていこう。

●改めて原発の怖さを示した能登半島地震

 2024年が幕を開けてすぐ、1月1日16時すぎに発生した石川県能登地方での最大震度7の地震により、200人を超える方が亡くなるなど多大な犠牲・被害が発生し、懸命の救助活動および被害者への支援が続いている。
そうした中、志賀原発1号機では変圧器2台が油漏れを起こし(それぞれ3,600ℓ、19,800ℓ)、それにより外部電源1系統が使えなくなる、また1号機・2号機とも使用済み核燃料冷却プールがスロッシングを起こし、1号機のプールの冷却ポンプが一時停止するなどの被害が発生している。
 ちなみに、1、2号機の基礎部分で観測された東西方向の加速度は、1号機が957ガル(想定は918ガル)、2号機は871ガル(同846ガル)だった(原子炉建屋などの重要施設が影響を受けやすい周期ではないとしている)。津波も3mほど観測されたと報道されている。
 今回の地震は広範囲に渡り、柏崎刈羽や福井県にある各原発も今後被害が明らかになる可能性があるが、もし放射能が外部まで漏れ出るような事故が発生しても、あの道路状況では逃げることは不可能であること、それでなくとも地震や津波で被害にあい混乱しているさなかでの原発事故複合災害(福島がまさにそうであったのだが)は、考えるに恐ろしい事態だということを、今回の地震は改めて示したのではないか。

●3.23集会の大成功から、再稼働阻止へ!

 毎年行われている3月集会だが、今年は(5月から数カ月延期されても)女川原発2号機の再稼働が予定されていることから、1000万人アクションとの共催で、全国集会として行われることが決定した。また、1000万人アクションの呼びかけ人代表である鎌田慧さんの発言も決まっている。
 10.1の河北新報での意見広告=紙面デモには2500を超える県内外の参加で大きなアピールとなったが、この力を是非3.23集会に結集していこう。そのために県内外の様々な団体に賛同団体になっていただくよう呼びかけるとともに、一人でも多くの方に参加を呼びかけよう。
 「原発を止めた裁判官」の樋口英明さんは、11月に仙台で行った講演で、「原発の本質はただ二つ」として、「人が管理し続けないといけない」「人が管理できなくなったときの事故の被害は想像を絶するほど大きい」と話している。福島事故は確かに大きな被害をもたらしたが、吉田調書でも「我々のイメージは東日本壊滅ですよ」とあったように、それ以上の被害の可能性もあったことが明らかになっている。
 そのような危険なもの、そして処理しようのない「核のゴミ」を生み続ける未来に押しつけてしまうものを、お金と引き換えに私たちのふるさとに存在させ続け、そして稼働させていいのだろうか。私たちは今一度問い返さなければならない。その思いを今年、仲間とともに心置きなく爆発させよう。
(事務局 舘脇)